我が国の状況と
外国との関係

我が国の状況

人口の高齢化と人口減少

我が国は高齢化が進みまた、人口も減少しつけます。2100年頃には、4000万人台になり、いったい誰が介護が必要な高齢者を支えるかという問題が深刻です

また現在、介護の担い手を養成する介護福祉士養成校の充足率が年々低下しています。

介護福祉士養成校協会

このような背景にして、介護の担い手として外国人介護人材の議論が進んでいます。もちろん介護人材が不足するという現実に対して「対処療法」」としての外国人の活用ということはあるのでしょうが、でも外国人の立場からすれば、「日本人のやりたくないことを外国人に押し付けている」という考え方もあるのでしょう。ですのでここは外国人を受け入れるということと、介護人材不足ということをごっちゃにせず、日本の優れた介護実践である介護福祉士になった外国人が日本で素晴らし実践をして、将来は本国の介護人材として育っていくことに我が国の

が貢献するのだとう高邁な理屈が求められるのだろうと思います。そしてその結果、日本の介護人材不足にも貢献するのだということでしょう。

外国人介護人材の採用の方法

次の3つがあります。

外国人介護人材採用の制度

(1)EPA(経済連携協定)

(2)技能実習制度

(3)在留資格介護

(1)EPA

これは日本と3国の国との経済連携協定(国と国との貿易の自由や人材の流動化を進めましょうということ)に基づいて介護希望者を受け入れるものです。自由貿易の発展に資するという側面があります。

現在はフィリピン、インドネシア、ベトナムと協定を結んでいて、これら3国の人々が日本の国際厚生事業団を通じて日本で働いています。

詳細は下記のページをご覧ください。(外部サイト)
EPA

この制度では、3年間現場で実務を経験し、国家試験を経て、介護福祉士になった方々が日本で介護福祉士として勤務でき、不合格者は、一定の条件でさらに一回のみの受験が認められますが、原則は帰国しなければなりません。

この試験の合格率が50%を下回りここが問題です。国家試験対策の必要性が強く求められます。

(2)技能実習制度

21017年11月から技能実習制度に介護が加わり、監理団体経由で外国人介護人材を採用することができるようになりました。

詳細は下記のページをご覧ください。(外部サイト)
外国人技能実習制度

そもそも技能実習制度は

技能実習制度

・・・国際貢献の一環。本国で同種の仕事をしていたものが日本で学び技術や技能を本国に移転することを目的。帰国後、同種の仕事に1年以上従事する。(介護の追加・2017年11月施行)

です。

すなわち、この制度の滞在期間は、最大5年で、一定の技能習得して、本国でどの習得した技能を展開しなければなりません。

介護の場合は、入国時N4が絶対で、1年後にN3にならないと帰国します。また3年たった時に一定の能力があるかどうかの試験を受けることになり、できないと帰国です。

日本語能力を重視していますので、ハードルは高いといえるでしょう

(3)在留資格介護

在留資格介護

入国管理・難民認定法の改正によって、2016年11月に制度化された。

法務委員会での採決。技能実習との一体審査

審議では、技能実習法に質問が集中し、在留資格介護の創設には疑義は少なかった。

制度の概要は、2年以上日本の介護福祉士養成施設で学び、介護福祉士を得たものに与えられる在留資格です。

直接養成校に入学するためにはN2以上(日本語能力試験 通称JLPT)が必要であり、それ以外のものは、日本の日本語学校で6か月以上の学習後、N2相当になり、養成校へ。2年の学びのあと、国家試験に合格して介護福祉士となり、在留資格が与えられる。

詳細は下記のページをご覧ください。(外部サイト)
在留資格「介護」の創設

なお養成校の費用は、国の介護福祉士修学資金を活用でき、5年介護に従事すると免除になる。外国人でも可能

  • コスト計 270万円程度(本国の学費を除く)
  • ただし、養成校については、厚労省の修学資金を活用することが可能

・・・160万円 5年の就労で返済免除 東京都でも「法人保証、理事長保証、保証会社保証を認める方向」

・・・施設の負担が軽減

★★技能実習で介護福祉士が取得できても在留資格介護の査証交付にはつながらない(2018年7月現在)

在留資格介護を得るまでのコスト
私どもの場合

  • 本国での1年以上の日本語と介護の教育

20万円程度・・・自己負担

  • 日本語学校❶

70万円程度・・・貸与・返済型奨学金(貸付)として施設が支給

  • 養成校❷

2年で200万・・・貸与・返済型奨学金(貸付)として支給(修学資金の活用が可能)

❶❷とも施設が学校に学費支払いが発生したときに支払う

★あくまでも参考。「貸し付け」の厚労省の考え方(社会援護局 福祉基盤課)

・・・「(定款に)この事業を公益事業として位置づけがあれば問題ない」

例:盲大学生奨学金貸付事業 公益事業位置づけ

私たちの仕組み

❶ベトナムの学校で1年以上の日本語と介護の基礎教育

・・・学生負担 学生の状況の評価支援 現地との情報交換 最低N4 今後はN3をスタンダードにとも

❷施設と学生とのコーディネーション(マッチング)本人や施設の納得が前提

・・・施設へのご協力・ご支援のお願い

❸日本語学校と養成校の準備・・・相当な労力・・施設の場所との関係や施設との関係も視野に入れる

❹入国審査用の書類を整備 本国 一部施設(経費支弁のための)

・・・本国、日本語学校、養成校とのコーディネーション

査証が不交付にならないよう最大の準備 卒後5年以上経過者、来日経験者

査証交付

❺入国

フォロー 勉強会などを通じて

手間と時間がかかった。丁寧な手当てを考えれば考える分、時間が費やされた。しかし、新しい取り組みにはこういう努力が必要だと戒めている。嫌味ではないが私のある意味の「社会貢献活動」でもある。こういう視点がないと多分、この取り組みはできない。施設のみなさんが受益者ではなく、担い手として成長いただける支援の必要性を感じる

見えてきた課題

❶EPA

定着率が悪い

介護福祉士の合格率が高くなったといってもまだ低い(16年度:全体7割、EPA5割・・蛇足だが優秀とされるEPAでもこういう状態であるということは、日本語を身につけることの努力が必要

❷技能実習

日本語力の問題 5年での再入国不可がサービスの継続性問う点では課題 出稼ぎ介護的な色彩が強くなる懸念 根本の問題として「転職」が不可であるので、本人が退職したい時の対応ができない・・・ここが今までの大きな問題

❸在留資格介護

日本語力を高める努力と工夫 現地での教育が重要

適性を評価する 本当に「その日本語力」で介護の仕事ができるかどうか 養成校に入る前にここを評価しないとコストをかけた後目的達成できず帰国にもなりかねない

コストをどのように考えるか

高い日本語学校の授業料

・・・私は経験上、日本語学校の評価を行い、適性ある学校との付き合いを続けたいと考えている。ことしはとにかく入学できた、というところから改善したい。コミュニケーションの充実